こんにちは、「どうする?介護!」スタッフです。
あなたは両親、義両親や配偶者…など、身近な方の介護で困ったことはありませんか?
じつは、介護経験者の3割が、急な病気やケガが原因で介護をはじめた人は、(脳卒中(16.1%)、骨折・転倒(13.9%)※1)といわれています。
※1 介護が必要となった主な原因の構成割合|厚生労働省「国民生活基礎調査」/2022年
つまり、心の準備がない状態で、急に「介護」が現実問題になった人が3割にものぼるのです!
ちなみに介護費用の平均は、在宅介護では月額が約4.8万円で、施設介護では約12.2万円。※2 ご自身が費用の負担をするなら、急な介護は、家計にも大きな影響が出ますよね。
※2 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる? | 公益財団法人 生命保険文化センター
今回の記事は、急に介護がはじまった方とご家族のために、在宅と施設(老人ホーム)でのおおよその介護費用と、ぜひ知っておくべき介護保険のサービスについてお話しています。
とくに介護の費用で、介護保険が適用できるサービスにはどんな種類があるのかを知ることで、介護離職を防いだり、介護での経済的・時間的・体力的な負担を少なくしたり、する方法を知ることができますので、必ずチェックしてくださいね。
介護は生活に関わる深刻な問題です。
この記事を読むことで、施設(老人ホーム)の利用や在宅介護となった場合にも、介護保険サービスを上手く活用することで、介護が生活に支障を出さないためのヒントになれば、幸いです。それでは、はじめます!
介護保険とは?
介護保険とは?
介護保険とは、「65歳以上の高齢者と、40~64歳の特定疾病患者が、介護保険サービスを利用者の費用負担が1割で受けられる介護サービス」(所得が一定以上の場合は、2割または3割を負担)で、利用には所定の手続きが必要です。
在宅介護で活用できる介護保険サービス(訪問介護、デイサービスほか)
介護保険サービス |
種類 |
内容 |
負担額(1割負担の場合) |
訪問介護 |
身体介護 | 食事・排泄・入浴など | 167円(20分未満)、 250円(20分以上30分未満) 396円(30分以上1時間未満)、 579円(1時間以上1時間半未満) |
生活援助 | 掃除・選択・買物・調理など | 183円(20分以上45分未満) 225円(45分以上) |
|
通院時の乗車・降車等介助 | 99円 | ||
訪問入浴 (要支援1、2)、(要介護1~5) |
全身入浴 | 訪問入浴 | 852円(要支援1、2)、 1,260円(要介護1~5) |
通所介護 (要介護1~5) |
デイサービス | 送迎を含め、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練や口腔機能向上サービスなど | 655~1,142円 (7時間以上8時間未満) |
短期入所 (要支援1、2)、(要介護1~5) |
ショートステイ | 常に介護が必要な方を特養などで短期間お預かりし、入浴や食事などの日常生活の支援や機能訓練を提供します。 連続利用できる日数は最大で30日間です。 |
446~555円(要支援1、2)、 596~874円(要介護1~5) |
※3 公表されている介護サービスについて|介護サービス情報公表システム|厚生労働省
デイサービスとショートスティの実費などを含む費用の目安
上記の図表で、デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所生活介護)では、食費や実費(おむつ代など)は保険外で自己負担です。
また、保険適用の加算サービス(入浴や機能訓練、認知症など)の費用が加算になることと、地域や施設(介護職員処遇改善加算)によっても費用が異なる場合があります。
下記は、これらをふまえたおおよその費用の目安です。
デイサービス | 1,500円~2,500円(食費やおむつ代の実費+サービス加算、1割負担の場合) |
ショートステイ | 3,000円~8,000円(食費・滞在費や実費などを含む、1割負担の場合) |
なお、ショートステイは、介護度によって、介護保険で利用できる日数に制限があります。
介護保険の制限日数を超える日数分は、全額実費での利用になります。
在宅介護と施設介護(老人ホーム)の費用の相場
前の章で申し上げた通り、介護費用は在宅介護が約4.8万円で、施設介護では約12.2万円が平均です。
介護サービスの生活施設(老人ホーム)には、特別養護老人ホーム(要介護3以上)、介護老人保健施設、介護医療院などの公的施設があります。
特養のおおよその費用の目安は下記です。ただし、公的施設での即入居は厳しい場合が多く、長い場合には、5年ほど入居待ちの場合もあります。このため、下記の表で民間施設との費用も比較してみました。
【公的施設】特別養護老人ホーム(要介護3以上) | (相部屋)約104,200円(月額)※4 |
【公的施設】特別養護老人ホーム(要介護3以上) | (個室)約141,430円(月額)※4 |
【民間施設】介護付有料老人ホーム | (個室)約201,000円 ※5 (月額の家賃相当額、管理費、食費の合計額) |
※4 介護保険の解説|サービスにかかる利用料|介護サービス情報公表システム|厚生労働省
※5 介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)|介護サービス情報公表システム|厚生労働省
費用面では、在宅介護(約4.8万円)<公的施設(相部屋:約10.4万円)<公的施設(個室:約14.1万円)<民間施設(個室:約20.1万円)の順に費用がかかることがおわかりいただけたと思います。
できれば、公的施設へ入所できればと考えられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
公的施設への入所には、介護保険の手続きが必要です。
では、介護保険サービスを利用するには、どのような手続きが必要でしょうか?
次でご説明いたします!
介護保険サービスを使えるようになるには?(介護認定手続きの流れ)
「介護保険証(介護保険被保険者証)があれば、介護保険サービスを使えますよね?」
と、勘違いされる方が多くいらっしゃるのですが、介護保険証があっても介護サービスは使えません。
介護保険証とは、65歳になった時点で、市町村の役所から自動的に通知されるものです。
実際に介護サービスを利用するには、介護保険証だけでなく、介護認定の手続きが必要です。
ここでは、介護サービスを利用するための介護認定の手続きについて、ご説明いたします。
1. 介護保険の申請
まず原則として、介護保険サービスが利用できるのは「第一号被保険者である65歳以上」で「申請地域に住民票」のある方。
例外として「加齢による16種類の特定疾病」の診断があり「申請地域に住民票」があれば、第2号被保険者である40歳以上64歳以下の方も介護保険サービスを利用できます。
申請の方法は、2種類
住居地の役所で窓口申請 | 市区町村の役所窓口で申請。提出は窓口または、郵送 |
オンライン申請 | マイナポータルを利用したPCやスマートフォンから申請 |
※介護保険の申請は、本人以外では、家族であれば申請できます。
なお家族に依頼できない場合、介護保険施設の職員などが代行して申請することもできます。
2. 認定調査・主治医意見書
調査員が自宅や施設等を来て、申請者の心身の状態を確認します。
このとき主治医意見書が必要ですが、市区町村が主治医に依頼をします。
主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要ですが費用の自己負担はありません。
3. 審査判定
(一次判定)
調査結果と主治医意見書の一部の項目を入力。
全国一律の判定方法で、要介護度の判定を行ないます。
(二次判定)
一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定を行ないます。
4. 認定
a.申請から30日以内に通知
認定結果には、「要支援1・2」「要介護1~5」「非該当」に分類されます。
b.認定の有効期間
新規・変更申請 | 原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定) |
更新申請 | 原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定) |
依頼された介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望のヒアリングや心身の状態に充分に配慮して、介護サービス計画書を作成します。
5. ケアプランの作成
「要介護1」以上 | 居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者) |
「要支援1」「要支援2」 | 地域包括支援センター |
依頼された介護支援専門員は「どのサービスをどう利用するか」本人や家族の要望のヒアリングと心身の状態に充分に配慮して、介護サービス計画書を作成します。
6. 介護保険サービス利用の開始
ケアプランに基づいて、さまざまなサービスの利用ができるようになります。
ケアプランを作成の際、ご自身とご家族の希望を伝えましょう。
具体的には、下記のような希望を伝えます。
- 「通所介護(デイサービス)を利用したい」
- 「できれば、老人ホームの特養を希望する」
- 「訪問介護を利用したプランを希望」
などです。
※参考※
介護保険の解説|サービス利用までの流れ|介護サービス情報公表システム|厚生労働省
こちらでは、公的な介護施設も利用できる介護保険の流れが、確認できました。
次は、介護保険で外部施設(デイサービスとショートステイ)など施設を利用した場合のスケジュールと費用を確認してみましょう!
在宅介護でデイサービスを利用した過ごし方の例
介護保険サービスで、要介護1~5の場合、デイサービスを利用回数の制限はありません。
ただし、支給限度額を超える場合には、超えた分が全額自己負担となります。
※要支援の場合も、デイサービスの利用回数に制限はありませんが、要介護と比較して支給限度額が少ないため、利用回数が多いとほかの介護保険サービスが利用できなくなることも・・・。
このため、あらかじめケアマネージャーに「どんな介護保険サービスに重点をおきたいかの要望」をきちんと伝えてケアプランを作成してもらいましょう。
介護保険サービスを利用した1週間のスケジュール(在宅介護:デイサービス・ショートステイ利用)
月曜日 | デイサービス、夜は自宅介護 | 9時30分~17時(入浴介助あり) |
火曜日 | デイサービス、夜は自宅介護 | 9時30分~17時 |
水曜日 | デイサービス、夜は自宅介護 | 9時30分~17時(入浴介助あり) |
木曜日 | デイサービス、夜は自宅介護 | 9時30分~17時 |
金曜日 | デイサービス、夜は自宅介護 | 9時30分~17時(入浴介助あり) |
土曜日 | ショートステイ | 9時~翌朝9時 |
日曜日 | 自宅介護 | 9時~ |
介護保険サービスを利用した1ヶ月の料金目安(在宅介護:デイサービス・ショートステイ利用)
デイサービス | 33,000円 | (月額:要介護1で、1,500円として22日分) |
ショートステイ | 16,000円 | (月額:要介護1で、4,000円として4日分) |
合計費用 | 49,000円 |
いかがでしょうか?
デイサービスなどを利用すれば、お仕事と利用者さんの健康状況によっては、介護離職を防ぐことができるのではないでしょうか?
在宅介護は本当に大変です。だからこそ、介護保険サービスの通所施設(デイサービス)を利用して、介護する方の負担を減らされることも検討されてもよいのではないでしょうか?
この記事があなたの介護にとって参考になれば幸いです!