こんにちは、「どうする…介護!」スタッフです。
あなたは両親、義両親や配偶者…など、身近な方の介護でデイサービスの利用をご検討されたことはありませんか?

デイサービスは近年、160万人※1を超える人に、利用されている介護保険で利用できるサービスです。
※1 総費用等における提供サービスの内訳(平成30年度)|介護分野をめぐる状況について|厚生労働省

デイサービスを上手く活用される方がいる一方で、「自分には合わない」などの理由で、行きたがらない利用者さんも見受けられます。

デイサービスに通う目的(リハビリ、人との交流、生活介助)がご本人の中で、はっきりしていない段階でケアマネージャさんからデイサービスを提案されて、自分の好みと違う施設に通い出して少ししてから、「行きたくない」と言われることも…

ケアマネージャさんは、介護のプロで利用者さんにできるだけ合うプランを提案をされますが「利用者さんの好みや性格」を100%完全に把握することは難しいため「はじめは機嫌よく通っていたのに、最近お母さん『デイサービスに行きたくない!』と言いだして悩んでいます」と、あとになって困ってしまうこともあるのです!

今回は、「デイサービス」についてのお話です。デイサービスに通うことの目的や注意点、デイサービスを選ぶポイント、デイサービスに通う場合の1日の流れやおおよその費用、そして「デイサービスへ行きたがらないことをできるだけ避ける方法」なども、わかりやすくお話しますので、必ず最後までチェックしてくださいね。
それでは、はじめます!

デイサービスに通う目的と注意点

デイサービスの目的、交流のイメージ

まず、デイサービスに通う目的を、確認します。

デイサービスに通う目的

  1. 家族の介護負担を減らす
  2. 食事や機能訓練などで、身体機能の維持や向上をはかる
  3. 他者とのコミュニケーションで、生活の質(QOL)を高める
  4. 入浴介助や食事介助など、日常生活の介護が受けられる

目的をまとめると、家族の介護負担を減らすだけでなく、他者との交流や身体の自立に向けた機能訓練もしてもらえます。
つまり、介護のプロによる機能訓練で、身体機能の改善と維持をはかることもできるのです。

なお、デイサービスに通うときの注意点には、下記があります。

デイサービスに通うときの注意点

  1. 介護保険以外に実費(食費、オムツ代金、レクリ材料費)などの費用の負担がある
  2. 不特定多数の他者と関わるため、利用者が精神的にストレスを感じてしまうことがある
  3. 送迎のとき、家族のお迎えができない場合どのように対処してもらえるか(集合場所など変更可能か)の確認が必要

デイサービスに通うことでの目的と注意点をご理解いただけましたでしょうか?
では次に、デイサービスに通うための費用はどれくらいかかるのか、確認してみましょう。

デイサービスの費用

デイサービスの費用イメージ

まず、デイサービス1日利用の、おおよその費用目安は下記です。

デイサービスの費用

デイサービスの費用(1回あたり) およそ1,500円~2,500円(食費や実費などを含む、1割負担の金額)

デイサービスの1日の利用費用の詳細は、下記の要素が合わさって決まります。

  1. 介護度(要介護1~5)、施設の規模、サービス提供時間、地域による加算(地域区分)
  2. 加算サービス(入浴介助、機能訓練、認知症、中重度者ケアなど)
  3. 実費(食費やオムツ代、レクリエーションの材料費など)

【介護度別】通常規模のデイサービスで7時間以上8時間未満の利用者負担

要介護度 1回あたりの費用(1割負担)
要介護1 655円
要介護2 773円
要介護3 896円
要介護4 1,018円
要介護5 1,142円

上記に地域区分での加算、加算サービス、実費(食費500~600円程度、オムツ代ほか)を加えた金額と月間で通った日数分の費用が必要になります。
どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)|介護サービス情報公表システム|厚生労働省

デイサービスで入浴の料金は?

デイサービスの入浴イメージ

なおデイサービスの入浴は加算サービスとして、通常の料金に下記が追加されます。

デイサービスの入浴料金(追加で加算される料金)

単位数 地域区分 負担割合
40単位(入浴介助Ⅰ) 地域区分(1011.4 1割負担:4046
2
割負担:8092円
3割負担:120137
55単位(入浴介助Ⅱ) 地域区分(1011.4 1割負担:5563
2
割負担:110126円
3割負担:165~189円

つまり、通常の費用(1割負担:655~1,142円)に加えて、1回あたり約40~189円(入浴介助加算ⅠまたはⅡに地域加算をかけて、介護保険の1~3割負担)が加算されます。
通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護 | 通所介護における各加算の算定状況 | 厚生労働省 
地域区分について | 厚生労働省

平日に毎日、週5日デイサービスに通った場合、 およそ1割負担で月額30,000~50,000円ほど必要となります。(月間20日で1,500~2,500円にて計算)

次にデイサービス施設の選び方のポイントをチェックしてみましょう!

デイサービスの選び方

デイサービスのスタッフと会話のイメージ

利用候補のデイサービスで「対応している条件が利用者さんとご家族の条件」に譲歩できる範囲内かどうかをまず、チェックしましょう。

利用者さんの状態についてご家族からのご要望には、下記のような項目があります。

デイサービスの施設の選び方のチェック項目の一例

施設 介護スタッフのフォロー体制や施設の雰囲気
送迎 出発~帰宅時間の対応(寝たきりのため、送迎時間の短縮に配慮してもらえるなど)
入浴 入浴の状況(車いすや寝たきりに対する対応)
食事 食事に対する配慮(味、塩分、アレルギーや、とろみ対応など)
リハビリ 体力的に無理がない範囲か、または、個別対応してもらえるか
レクリ レクリエーションが利用者さんの趣味や要望(リハビリ重視、イベント重視など)と合うか
規模 施設の利用人数(集団活動の向き不向き)
認知症 認知症への対応

上記のような利用者さんご本人にとって、必要なチェック項目を明確にして、ケアマネージャさんにも確認してもらい、実際に複数施設に見学に行かれることをオススメします。
見学のときは、利用者さんご本人もご一緒される方が好ましいです。

理由は、利用者さんご本人の意見を取り入れて施設を決めることで、あとあとご本人も納得してデイサービスに通って頂けるからです。

では、実際にデイサービスに通う場合、どのような一日を過ごすのでしょうか?
次にご説明します!

デイサービスの一日の流れ(過ごし方)

デイサービスの一日の流れのイメージ

デイサービスではどのように1日を過ごしているのでしょうか?
ここでは、一般的なデイサービスでの過ごし方の例をチェックしてみましょう!

デイサービスの一日の流れの例

9時30分 お迎え スタッフが送迎者でご自宅までお迎え
9時45分 施設到着 施設到着後、対応・バイタル・今日の体調などをチェック
10時 機能訓練 無理のない範囲で、機械や用具など使った全身運動。
または、卓上でのレクリエーションなど
10時30分 入浴 希望者は、介助・見守りにて入浴
12時 昼食 コミュニケーションをとりながら食事と食後のお茶
13時30分 レクリエーション 歌、ゲーム、裁縫など物作りや、散歩など
15時30分 おやつ お菓子とお茶を通してコミュニケーション
17時 帰宅準備 ご帰宅の準備。荷物など忘れ物のないようにまとめて、施設を出発
17時30分 自宅到着 スタッフが送迎車でご自宅までお送り

なお、上記はあくまで、「一般的な1日の過ごし方」で、デイサービスの利用時間は、「9時~17時」が一般的ですが、施設によって時間帯は若干違います。
また、利用者さんとご家族のご希望で利用時間も決められるため、利用者さんにとって最適な利用時間を提示してください。

せっかく、良いデイサービスを見つけても利用者さんに「行きたくない!」(通所拒否)と言われる場合があります。
デイサービスに「行きたくない!」と言われた場合や、そんな場合にどう対処すれば、よいのでしょうか?
次でご説明いたします!

デイサービスへ行きたがらない(通所拒否)ときは?

デイサービスのイメージ②

デイサービスに通うと決めたのに、デイサービスへ行きたがらないのは、家族にとって心配と悩みが多いのではないでしょうか?
ここでは、デイサービスに行きたがらないことを防ぐ、段階ごとのポイントについてお話します。

デイサービスを選ぶ段階で行きたがらない

デイサービスに通うことのメリットでお話した通り、デイサービスに通うメリットは介護してもらうだけでなく「プロの機能訓練によって、全身状態の機能の改善と維持をはかることができる」ことです。

このため、先ずは利用予定者さんにも、このメリットをお話してください。
お話された上で、利用者さんの好みと、ほかに提供しているサービス内容が合いそうな施設を一緒に選ぶようにしましょう。
提供しているサービスには、下記のようなものもあります。

  1. フィットネス設備付き、機能訓練を重視したデイサービス
  2. 季節ごとのイベントを大切にしたデイサービス
  3. 自然とのふれあい重視、畑仕事ができるデイサービス
  4. ゲーミング要素の娯楽型デイサービス
  5. 料理特化型のデイサービス
  6. 言語障害のリハビリに特化したデイサービス

※上記の提供サービスは、一例です。
このため、お住いの地区に必ずこれらのタイプの施設があることをお約束するものではないこと、予めご承知おきください。

デイサービスを利用者さんご自身が選ぶことで、自分で決めた施設なので「デイサービスに通い始める前からの楽しみ」になるため、始めてデイサービスに行く前から「デイサービスに行きたがらないこと」(通所拒否)は少なくなるようです。

デイサービスに通い始めの段階で行きたがらない

デイサービスに通い始めのイメージ

新しいことを始めるとき、多くの人が今までとは違う日常に戸惑うことがあるのではないでしょうか?
あと一歩の勇気が出ない…そんなとき、家族からの「声がけ」で救われることがあります。
始めて、デイサービスに通う日には、朝食は利用者さんと、会話しながら一緒に食べたり、お迎えの運転手さんには「今日が初日の〇〇(苗字)です。よろしくお願いいたします」と、丁寧にご挨拶をしたり・・・、と言ったようにほんの少し家族から心遣いとお声がけをすることで利用者さんも新しいことを始める勇気が出ることがあるからです。
また初日にデイサービスから帰ってきたときも、一緒に食事をしながら利用者さんに「デイサービスで1日経験して思ったことを話してもらい会話する」ことで、一日の心の整理ができ、不安と不満がたまりにくくなるのでオススメです。

デイサービスに通い始めて少ししてから行きたがらない

デイサービスに通い始めてから、少ししてから不満が出る場合は、ほかの利用者さん、または介護スタッフとのコミュニケーションがうまくいかないことの原因によることが多いようです。
どういったことで不満や不安に思っているかをゆっくりと話してもらい、利用者さん自体が客観的に現状を把握して、ほかの人への対応を変えることで、対応できそうな場合であれば、根気強く話を傾聴した上で、アドバイスをしてみましょう。
ただし、アドバイスする場合も、あくまでも話を一通り、聴いてからにしましょう。

そして、話を聴いて、家族で対応出来そうなことは対応しましょう。
(例:介護スタッフの話がきちんと聴き取れていなかったため、コミュニケーションがうまくいかないなら、補聴器を調整するなど)
話を聴いて、家族で対応できることは対応した上で様子をみても、デイサービスの施設と合っていない場合や家族で対応できる範囲ではない場合には、ケアマネさんと相談しましょう。
また、デイサービスの施設を変えたい場合も、まずはケアマネさんと話し合って調整してもらうことが重要です。

いかがでしょうか?
在宅介護は大変です。だからこそ、デイサービスなどの施設を利用して、介護する方の負担を減らすことも検討されてもよいのではないでしょうか?
この記事があなたとご家族の介護にとって、何かの参考になれば幸いです!